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「それで?何があったの?」
「誕生日なんだ」
観念して口にした。
「え、中野の?」
驚いた顔で聞いてくる。
本当に表情の豊かな奴だ。見てて飽きない。
「そ」
「ええー!!マジか。え、マジおめでとう!!!やば!」
久々にパリピ登場。
何がヤバイんだろうか。
「じゃ、今日は俺にご馳走させてよ、お祝いな」
なっ
悪いな、という感情を喜びの波が流していく。
本当にこいつはいつも欲しいものをくれる。
好きにならざるを得ないじゃないか。
もう、本当に。
滲みそうな涙はぐっと堪えていつも通りの顔。
ざわめく心と対照に相変わらずの無表情。
それは渋谷にどんな風に映ってるんだろうか。
「どうも」
「そっけねー!!」
流石に突っ込まれたわ。
思わず吹き出す。
友達、と言うには違和感のある曖昧な関係の2人の笑い声が道に響く。
ひとしきり笑って、ため息をつく。
「……そろそろ行こっかー」
「うん」
また2人して、てくてくと並び歩く。
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