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「でさーそれでクラスメイトがねーもー本当ばかなことすんのよ、さいっこう」
楽しげにケラケラと笑う桃子ちゃんに渋谷と二人で相槌を打つ。
「めっちゃ話すのな」
こそっと渋谷が言ってくる。
あはは、と二人で笑うと、むくれた顔で桃子ちゃんが突っ込んでくる。
「もー何してんの2人でー!」
ちゃんと話聞いてよー!と突撃してくる。
結局三人で爆笑するに至る。
「あはは。マジうける。てかもう着いたね!笑」
あっという間だった。
カラン
店の戸を開ける。
軽やかな音とともにいらっしゃいませ、と丁寧な声がする。
メニューを渡してくれた店員さんを引き止めた。
「この間は、食べかけのまま店を飛び出してしまってすみませんでした。美味しかったのに、失礼な真似をしてしまいました……。本当にごめんなさい」
店員さんは、あっという顔をした。
「あ、あの時の!いえいえ、お気になさらず……」
「あの。もう一度、同じケーキを、頼めませんか」
渋谷だった。
「いいですよ。少しお時間かかりますが、よろしいでしょうか」
「本当ですか!ありがとうございます!!」
あの日と、と言ってもほんの数日だけど、あの日と同じケーキで祝ってもらえることになった。
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