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「中野?」
は。
しまった。またやってしまった。
心配そうな顔の渋谷がひょこ、と顔を覗き込んでくる。
「なんでもない」
「マジ?ならいいや。ね、予習見せてよ」
「ほれ」
あの二度目の誕生日祝い以来、僕は、前よりも考え事をするようになった。
カリカリと必死にアルファベットを写す渋谷に、前々から気になっていたことを聞くことにした。
「なあ。あいつは今どうしてんの?」
「あいつ?」
「前に、渋谷に予習を見せてた奴」
「ああ、上野?あいつはね、今桃子の彼氏」
はあっ!?
桃子ちゃんの彼氏?
聞いてねー!!
じゃなくて!
「え、元気なの?」
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