師走

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だから、聞いてみることにした。 とんでもなく勇気が必要だった、とだけ言っておこうか。 「あのさ、クリスマスってなんか予定入った?」 渋谷は書き写す手を止めずに、あーと唸って言った。 「あー。なんかあいつらとクリぼっちパーティーをやるかもしんねえ」 あいつら、と渋谷といつもつるんでいる連中を渋谷は指差した。 やった。 渋谷は、彼女候補の子とは、デートしない。 クリぼっちなら。 ファンファーレと歓声の鳴り響く脳内は花畑にでも放置してこようか。 でも予定を聞くだけじゃ、どうしようもないから。 「ねえ」
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