師走

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「ねえ、もし空いてたら、冬休み何処か行かない?」 まん丸くなる渋谷の瞳を眺める。 そんなに、驚きだろうか。 しかしまあ、渋谷という人間はどんな顔でも綺麗なもんだから、嫌になっちまう。 これ以上惚れさせて、この男は何をする気だ? 「いいけど、なんで?」 ちょっと頬が赤くなってて、もっと綺麗になった。 なんでなのかまでは知らんけど。 「……暇だから」 暇じゃなくたって会いたいけど。 教室そんなに熱くないはずなのに、渋谷の頬は真っ赤だ。 うーむ。綺麗である。 というか。 あまり黙りこくらないで欲しいんだけどな。 不安に、なる。
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