師走

7/11
前へ
/283ページ
次へ
「あのさ、クリスマスのあたり、空いてない?暇ならその辺とかどう?」 クリスマスデートだって思ってるのは僕だけだったとしても。 渋谷、僕はお前とデートがしたい。 ネズミーランドだってデートのつもりでいた。 でもあれは奇跡だった。 今度は、僕から、デートのつもりで誘う。 ねえ、一緒に行ってくれよ。 どこだって渋谷とならかまいやしないから。 ねえ。 告白だけはしないから。 デートくらい、するのを許してくれ。 好きなんだ。 ねえ。 好きっていえたらいいなって何度も夜中に一人思うんだ。 でも言わないから。 迷惑は、かけたくないから。 困らせたくないから。 頼むよ。 お願いだ。 僕と、デート、してください。 そんなことは言えやしない僕からの精一杯をどうか。 受け取って。
/283ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1539人が本棚に入れています
本棚に追加