現実は

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本当は知っていた。気づいていたけど、見ないふりしてた。 渋谷はノーマルで、彼女がいて。 しかも所謂イケメンで人気者。 当然モテる。 対する僕は小太りで大した取り柄だってない。 可能性なんかありはしないだろうよ。 ああクソ!渋谷、お前のキラキラスマイルが忘れらんねえのはお前がイケメンなのが悪い! 珍しく人気者が目立たない僕に声かけてくるから気になってるだけなんだ! そう思っていたいのに! ああクソ! 畜生!今までなら封じ込められた気持ちが封じ込められないじゃないか。 リア充めんどい……なんて思えてたあの頃が懐かしいくらい。 きっとこれから声はかけてもらえなくてもつい目を奪われるんだろうし、気にしちまうんだろうな。 現実は、甘いものじゃないって。 それを思い知るんだろうけれど。 だけどそれでも。 月曜が、奴を見られるのが楽しみでならないんだ。 ちょっとだけ。期待してもいいかな……。 ーー明日、渋谷に予習を見せられますように。
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