渋谷翔の欲しいもの研究

2/10
前へ
/283ページ
次へ
僕は本日より、「渋谷翔の欲しいもの研究」と称して、渋谷を観察することとする。尚、私情は挟まぬこと。 さあ、渋谷を観察しよう! といざ思うと案外恥ずかしくなってできないものである。 だけど、やるっきゃないのだ。 まず、基本使えるのは学校にいる間だけである。 さすがにストーカーにはなってはならぬ。 だって、男にストーカーされるとか、無理じゃない? しかもクラスメイト、とか。 嫌われるのだけは、本当に勘弁。 いや、観察観察。 今は、例の極度に自信のない数学教師の授業だ。 親切かつ丁寧に応答する渋谷は受けがいい。 って、どう考えても立場真逆やん。 いいの?w いや、今回ばかりは都合がいい。 さっそく渋谷が当てられ、颯爽と答えだした。 ううむ、格好いい。 いかんいかん、私情は挟まぬと決めたはず。 なるほど、ちょっと困ると、左耳に髪をかけるんだな。 ちょっとした癖を知れたのが嬉しい。 いやいや、観察だってば。 まあいいか。 そんな具合に、渋谷を眺めて数学の時間は終わった。
/283ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1539人が本棚に入れています
本棚に追加