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次の観察タイムは、世界史の時間に訪れた。
なんせ世界史の老教師は喋っていても、注意をしない。
しかも成績をつけるのが緩いときた。
いつ定年するのやらと囁かれながらかれこれウン十年、みたいなオーラを身に纏いつつ本日も登場。
「うぉっほん!ええー今日は」
ガラガラのカサカサな声が子守唄がわりにゆるゆると遥か彼方を語り始める。
それと対照的に始まる渋谷たちパリピどものお喋り。
いつもは煩いだけなのに、今日だけは有り難い。
「なあ渋谷ーお前彼女いんの?www」
「えーいるわけねえじゃんww」
ドキリとした。
なんでこの話題を選んだ!?
とにかく、なんであろうと聞いてるしかないんだけれども。
「えーw狙ってる子とかいんの!?www」
「えー」
「絶対いるやんwwwそれww」
「それなwww」
「やばw誰だしそいつw」
「2組のキョウコちゃんとか?」
2組のキョウコちゃんって誰?
ドクリと疼いた自分の胸が、ドス黒い気がした。
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