渋谷翔の欲しいもの研究

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家に帰って天井を眺めながら考える。 うーん、どうしようか。 流石に、本気っぽすぎる。 僕はばれたくないのだ。 渋谷に渋谷が好きなことを。 だってばれてしまったら。 そしたら。 きっとこの曖昧な関係さえも終わってしまうだろう。 もしばれたら。 僕はどうすればいい? 実はそうなんだ、ごめん。 こう言ったらなかったことになるとでも? 本当は。 告白しないのは。 怖いからだ。 渋谷のためとかじゃなくて。 僕が渋谷に嫌われたくなくて。 この先が分からないのが怖くて。 本当は自分の為に告白しないんだ。 僕は。 本当にどうしようもない人間だ。 誰だって、そうなのかもしれないけれど。 僕は怖い。 渋谷に、嫌われたくないんだ。
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