第6章 本気で好き

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「そう。急いでちょうだい。」 「はい。」 何やってんのよ。 これじゃあ、仕事の信用もあったもんじゃないわ。 慌てて銀行のシステムに、報酬の金額を打ち込む。 隣に座る日奈人君も、心配そうにこっちを見ている。 できれば見ないでほしい。 こんな惨めな姿。 こんな時に会う約束をするなんて、馬鹿だと思った。 仕事が終わって、約束の場所にトボトボと歩いて行った。 先に日奈人君の姿が、約束の場所にあった。 「お待たせ。」 「ううん。待ってないよ。」 日奈人君は、笑顔で迎えてくれた。 それがなんだか、もどかしかった。 「今日は別なお店行こうか。」 「別なお店?いい店、知ってるの?」
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