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「そう。急いでちょうだい。」
「はい。」
何やってんのよ。
これじゃあ、仕事の信用もあったもんじゃないわ。
慌てて銀行のシステムに、報酬の金額を打ち込む。
隣に座る日奈人君も、心配そうにこっちを見ている。
できれば見ないでほしい。
こんな惨めな姿。
こんな時に会う約束をするなんて、馬鹿だと思った。
仕事が終わって、約束の場所にトボトボと歩いて行った。
先に日奈人君の姿が、約束の場所にあった。
「お待たせ。」
「ううん。待ってないよ。」
日奈人君は、笑顔で迎えてくれた。
それがなんだか、もどかしかった。
「今日は別なお店行こうか。」
「別なお店?いい店、知ってるの?」
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