第6章 本気で好き

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夫は何も知らない様子で、ソファーに座っている。 私は夫から感覚を開けて、そっと座った。 「なんだか、よそよそしいな。」 「よそよそしくもなるわよ。」 「えっ?」 夫はこれから起こる事を、予想していないだろう。 「要ちゃん、この前車に乗っていた女の子の話、したよね。」 「ああ。」 「その女の子、今日家に来たの。」 夫はハッとして、頭を抱えてしまった。 「……何か言ってたか?」 「要ちゃんと結婚するって言ってたわ。」 「ウソだよ。俺達はそんな約束していない!」 「じゃあ、彼女の狂言だって言うの?」 「ああ!」 夫はあくまで、白を切るつもりなのだろうか。 「彼女とは、付き合っているの?」
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