第6章 本気で好き

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「くらら……」 「要ちゃんの中、もう私はいないよ。」 「いるよ!こうして目の前にも、いるじゃないか。」 「一人になりたいの!もう、何かも捨てて、一人になりたいの!」 「落ち着け、くらら!」 夫が私を抱き寄せる。 「放して!」 「いいから落ち着け。」 「落ち着いているわよ!」 もう何もかもがダメ。 私は泣きながら立ち上がり、寝室へと走って行った。 夫は、このままでいようとしている。 私の中では、もう彼女の事を知ってしまったって言うのに。 「うわあああ!」 ベッドに顔を埋めて、声に限りに泣いた。 「くらら、くらら。」 寝室のドアの向こうに夫がいる。 「開けるよ。」
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