第6章 本気で好き

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「来ないで!」 そう叫んだら、夫はドアを開けなかった。 「泣いたら落ち着くから。今は一人にして。」 しばらくして、夫がリビングに戻って行くのが分かった。 いっそ、このまま荷物をまとめて、園子の家にお世話になろうかな。 そんな事を考えていたら、いつの間にか眠っていた。 どのくらい経っただろう。 ふと目が覚めると、私の肩には毛布が掛けられていて、側には夫が座っていた。 「落ち着いた?」 変わらない夫の笑顔。 私はうんとは、返事できなかった。 「俺、くららとは別れないから。」 夫の顔が見れない。 それは、ただ単に結婚にしがみついているように見えるからだ。 「その代り、彼女とは別れた。」 「えっ?」 「愛しているよ、くらら。」 夫は私をそっと抱きしめた。
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