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次の日から夫は、積極的に私に話しかけるようになった。
「くらら。今日は早く帰れそうだから、外食しようか。」
「ううん。そんな気になれなくて。ごめんなさい。」
無視している訳ではないのだけど、どうしても夫の顔が見れない。
笑顔の裏に、私を平気で裏切っていた顔があると辛い。
そして同じように、夫を裏切っている自分が、平気な顔をさせないのだ。
「くららさん。」
ハッとして顔を上げると、隣に日奈人君がいた。
「そんなに今日のH、よかった?」
「あっ……」
よく見ると、ベッドの中で、私は裸になっていた。
「もしかして、ボーっとしてた?」
私は、返事もせずに起き上がった。
「くららさん?」
「ごめんね。なんだか心に余裕がなくて。」
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