第6章 本気で好き

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すると日奈人君は、私を後ろから抱きしめてくれた。 「もしかして、旦那さんの事?」 私は日奈人君の腕を、そっと掴んだ。 「俺は、くららさんを裏切るような事はしないよ。」 「日奈人君……」 「ずっとずっと、くららさんだけを見ている。」 そう言うと、日奈人君は私を押し倒した。 その見下ろす瞳は、私だけを見つめていて、それに支配されているような気がした。 「くららさん……」 首に吸い付いてくる日奈人君を、私は抱きしめた。 この温もりだけは、私を裏切らない。 私なしでは、生きていけない。 ああ、私は愛されたい一方で、そんな愛を欲しがっていたのかもしれない。 目を瞑ると、自然に涙が零れ落ちた。
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