196人が本棚に入れています
本棚に追加
/147ページ
「泣いてるの?」
日奈人君の指が、私の涙を拭った。
「まだ悲しい?」
「ううん。さっきの日奈人君の言葉に、癒されちゃって。」
日奈人君は、ニコッと笑った。
「もっと癒してあげる。くららさんは、俺に抱かれる度に、元気になっていくんだ。」
「そうね。」
至近距離で見つめ合って、口付け合って、身体が溶け合った。
ああ、私。
今、幸せだ……
家に帰ると、夫がテレビを観ながら、私の帰りを待っていてくれた。
「お帰り。今、何時だと思ってんの。」
「何時って……もう少しで20時……」
「俺、今日早く帰るから、外食でもしようって、言ったよね。」
「あっ……」
夫との約束、すっかり忘れていた。
最初のコメントを投稿しよう!