第6章 本気で好き

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「泣いてるの?」 日奈人君の指が、私の涙を拭った。 「まだ悲しい?」 「ううん。さっきの日奈人君の言葉に、癒されちゃって。」 日奈人君は、ニコッと笑った。 「もっと癒してあげる。くららさんは、俺に抱かれる度に、元気になっていくんだ。」 「そうね。」 至近距離で見つめ合って、口付け合って、身体が溶け合った。 ああ、私。 今、幸せだ…… 家に帰ると、夫がテレビを観ながら、私の帰りを待っていてくれた。 「お帰り。今、何時だと思ってんの。」 「何時って……もう少しで20時……」 「俺、今日早く帰るから、外食でもしようって、言ったよね。」 「あっ……」 夫との約束、すっかり忘れていた。
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