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「ごめんね。」
「もういいから。」
私は何を思ったのか、夫を後ろから抱きしめた。
「本当にごめんなさい。」
「もう、怒ってないよ。」
夫もクルッとこちらを向いて、私を抱きしめてくれた。
夫との食事を忘れて、大学生の子とセックスしているなんて。
私は一体、どうしてしまったんだろう。
「よし。夕食にしようか。」
「まだ、食べてなかったの?」
「当たり前だろう?ずっとくららを待っていたんだから。」
私はカバンを置くと、直ぐにエプロンを着けた。
「急いで作るから。」
冷蔵庫を覗いて、使えそうな食材を、片っ端から掴んだ。
「さすがは主婦。冷蔵庫覗いただけで、料理浮かぶんだ。」
「こんなの当たり前だよ。」
そう、私はすごい主婦なんかじゃない。
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