第6章 本気で好き

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「ごめんね。」 「もういいから。」 私は何を思ったのか、夫を後ろから抱きしめた。 「本当にごめんなさい。」 「もう、怒ってないよ。」 夫もクルッとこちらを向いて、私を抱きしめてくれた。 夫との食事を忘れて、大学生の子とセックスしているなんて。 私は一体、どうしてしまったんだろう。 「よし。夕食にしようか。」 「まだ、食べてなかったの?」 「当たり前だろう?ずっとくららを待っていたんだから。」 私はカバンを置くと、直ぐにエプロンを着けた。 「急いで作るから。」 冷蔵庫を覗いて、使えそうな食材を、片っ端から掴んだ。 「さすがは主婦。冷蔵庫覗いただけで、料理浮かぶんだ。」 「こんなの当たり前だよ。」 そう、私はすごい主婦なんかじゃない。
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