第7章 やり直そう

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「くららさん、帰るよ。」 ボーっとした中で、日奈人君の声が聞こえる。 「仕方ないな。」 そう言うと日奈人君は、私を起こしてくれた。 「さあ、行こう。」 優しいその手に連れて行かれ、お店の外に出た。 「家まで送って行くよ。」 「ううん。一人で帰る。」 「ダメだってば。誰かに襲われるって。その状態じゃあ。」 日奈人君は、タクシーを拾うと、私をタクシーに押し入れて、自分も乗った。 「家の場所は?説明できる?」 「うーん……」 家……このまま家になんて、帰りたくない。 「分かんない……説明できない……」 「ちょっと待ってて。」 すると日奈人君は、誰かに電話しているようだった。 「ああ、社長。お疲れ様です。くららさんの家の場所、教えて貰えますか?」
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