第1章 一夜の相手は

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それはCMでもお馴染みの、手数料が無料の募集サイトだった。 「そうね。思い切って、そっちのサイトにするわ。」 手数料が無料だって分かった途端、動き出す園子はゲンキンだ。 「ちなみに、どんな子を募集するんですか?」 「高い時給は出せないから、大学生になるのかな。そうなると、夕方から来て貰えるような子?文系の学生だったら、申し分なし。」 よかった。とりあえず、ビジョンは見えているみたいだ。 園子は酷い時、明確な目標もないまま、ライターさんに企画を出す時があって、返信のやり取りに苦労する時もある。 園子がこのWEBサイトを経営できるのは、そんな時にも、ちゃんと付いてきてくれるライターさんがいるからなのだと、私は思う。 「よし。これで募集完了。くらら、募集の問い合わせが来たら、とりあえず履歴書書いて、事務所に来させて。」 「はい。」 事務所と言っても、10帖程の狭いオフィス。
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