第1章 一夜の相手は

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「相馬君だったら、他のバイト先もあったんじゃない?」 園子は、エスプレッソマシンで淹れたコーヒーを、相馬君に差し出した。 「いえ。最初からここだと決めてました。」 「もう!なんていい子なの!」 園子は相馬君の背中を、バンバン叩いている。 彼の困った顔を、これからも幾度なく見るのだろうか。 「実はデスクがまだ届いてないの。もう2,3日待ってね。」 「はい。」 「そう言えば、パソコンもレンタルしましょうか。」 私が園子に、話しかけた時だ。 相馬君と一瞬、目が合った。 「事務をしている澤田です。宜しくお願いします。」 私が一礼すると、彼も立ち上がって一礼してくれた。 「さあ。新しいメンバーも入る事だし。新たな気分で、再出発しましょう。」
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