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「はい。」
相馬君は、どこにでもいるような男の子だった。
そんなイケメンでもなく、今流行りのシュガーボーイでもない。
背は高いけれど、モデルさんまでいかない。
記事もそんなありきたりな物が、読者の心をつかむ事がある。
園子が言っていた。
相馬君も同じなんじゃないか。
そう思ったのは、彼の瞳が優しいモノだったからかもしれない。
デスクが届き、パソコンが届き、相馬君が初出社をしたのは、面接から2日後の事だった。
「今日からお世話になります。」
カバンを肩に掛け、パーカーにジーンズで来た相馬君は、お洒落に見えた。
「席は私の隣だから。分からない事があったら、何でも相談して。」
「はい。」
ありきたりの挨拶。
未知の彼には、それしか言えなかった。
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