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『月のため息』(流・翠編)2
僕の躰は流の愛撫に感じまくりだ。流の舌先で胸の突起を嬲られて、気持ち良すぎて涙が零れそうになった。
「筆の刺激で、粒がコリコリと硬くなっているな」
舌先で飴玉を転がすように弄られ身悶えた。深いキス、舌先を迎え入れ蹂躙されるかのように貪られる。そして腰を抱かれ下半身を密着させられる。
「一度これで出そう。俺は今日一度じゃ到底済まない。だが傷が癒えたばかりの翠の躰にあまり負担をかけたくない」
どうやら素股という行為に入っていくようだ。僕の腿の間に流の性器を挟みこんでの律動……全部、これも流が僕に教えてくれたことだ。
流がゆっくりと腰を上下に動かしだす。するとすぐに流の性器の先端からは透明の液体が滲み、滑りが良くなる。僕のものも……流が動くことによって腹部で擦られた快楽を感じ出していた。
「あ……ふっ…」
「翠、感じているのか」
無性に早くイキたい衝動に駆られる。さっきの筆といい今日は焦らされてばかりだ。
「も、もっと……動いて」
流のモノを挟む足に力を入れてしまった。
「くっ……翠……煽るな」
流の律動が一段と激しく大きくなっていく。どんどん加速していく。
「…っ、ん…っ…っ、あーっ」
どうやら二人同時に放ったようだ。僕は足を開いて流のものを解放してやった。僕のと流の液体が混ざり合って、お互いの腹の上がぐっしょりと濡れていた。なんという量を……これは風邪をひきそうだとつい苦笑してしまった。
「翠は、まだまだ余裕だな」
流は指でふたりの出したものを拭い、それを僕の窄まりにたっぷり塗って、今度は流自身をズシっと埋め込みんだ。
「あうっ!」
熟れた入り口が、流のものを吸い込むように呑み込んでいく。
僕は脚を大きく開脚させられ、流の律動で上下に揺さぶられていく。
いつの間にか吐く息が、白くなっていた。
真夜中の気温はもう零下なのか。
ひどく寒い夜なのに、僕たち二人の肌は汗ばんでいた。
「はっ……はっ」
律動の度に漏れるふたりの吐息が重なっていく。
吐息によって生まれた白い霞が、茶室にぼんやりと広がっていく。
「翠、もっと感じろ」
「あっ……駄目だ。それは」
流は挿れていたものを一度抜き、大きく僕の両脚を掴んで、僕の頭の方へ持ち上げた。その姿勢を取らされると、すぐに何をされるのか理解してしまった。
「やっ……」
すぐに流の舌が僕の窄まりを舐め、舌先で突かれる。震える腰は流の手によってしっかりホールドされている。恥ずかしくて身を捩ってしまう様子を、流が満足げに見下ろしていた。
「翠のその顔が好きだ。俺だけにしか見せない表情。淫らな翠……」
「馬鹿……本当にお前は馬鹿だ。そして全部受け入れる僕も……馬鹿だ」
もう一度脚を下ろされ今度は膝裏を掴まれ大きく開かれ、ぐぐっと最奥まで挿入された。流の律動はさっきの比ではない。大きく身体がずれるほど突かれまくり、擦り上げられ、内部をぐちゅぐちゅと音が鳴る程大きくかき回された。
「りゅっ……流」
いよいよラストスパートだ。思わずしがみつくように流の背中に手を回し、内部に迸る熱を全部受け止めた。僕のも、もう一度流の腹を濡らした。
こんな寒空に、大の男が絡み合い、もう汗だくだ。
「翠、メリークリスマス」
「流、メリークリスマス」
ふたりで迎える聖夜は、こんなにも濃厚な夜だった。僕は流に抱かれている間、一度もあのおぞましい過去を思い出さなかった。思い出さなくて済むように、思い出す暇がないように、流が激しく求め抱いてくれたのだと悟った。お互い脱力し抱き合ったまま暫し目を閉じて、休息した。
(ん……? なんだろう)
ふと冷たいものが顔にあたったので、流の肩越しに天井を見つめると、隙間から小さな氷の粒が舞い降りて来ていた。
汗ばんだ素肌にあたると、それはすうっと溶けていく。
――淡雪か。
流の背中にも降り積もっては、すぐに熱で溶けていく。
この茶室の天井はもうそろそろ終わりだな。建て直す時が近い。
部屋に雪が降るなんて……でもこれも一興だ。
「翠……どうした?」
「流、雪は解けてしまうが……僕の流への想いは溶けてなくならないよ」
「優しいことを……俺は幸せだ。翠とこんなクリスマスを迎えられて……」
「うん、ふたりだけのクリスマスは……はじめてだからな」
「あぁ、恋人になってはじめてのクリスマスだ」
『月のため息』(流と翠編)了
あとがき(不要な方はスルー)
****
朝から濃厚過ぎますよね(..;)
翠はこの後やはり風邪をひいてしまい、大晦日の風邪っぴき話に続くのです。しかし濃厚なシーンを書くのはとてもエネルギーが要ります。そしてあまり激しすぎるのも受け入れられないのかな……? なんだかふと心配になってきました。私の好みで書いているマイペースな創作なので、万人受けする話は相変わらず書けませんが、これからも、お付き合いしてくださる方がいらっしゃいますように♡
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