『月のため息』(流・翠編)2

1/1
前へ
/1579ページ
次へ

『月のため息』(流・翠編)2

 僕の躰は流の愛撫に感じまくりだ。流の舌先で胸の突起を嬲られて、気持ち良すぎて涙が零れそうになった。 「筆の刺激で、粒がコリコリと硬くなっているな」  舌先で飴玉を転がすように弄られ身悶えた。深いキス、舌先を迎え入れ蹂躙されるかのように貪られる。そして腰を抱かれ下半身を密着させられる。 「一度これで出そう。俺は今日一度じゃ到底済まない。だが傷が癒えたばかりの翠の躰にあまり負担をかけたくない」  どうやら素股という行為に入っていくようだ。僕の腿の間に流の性器を挟みこんでの律動……全部、これも流が僕に教えてくれたことだ。  流がゆっくりと腰を上下に動かしだす。するとすぐに流の性器の先端からは透明の液体が滲み、滑りが良くなる。僕のものも……流が動くことによって腹部で擦られた快楽を感じ出していた。 「あ……ふっ…」 「翠、感じているのか」  無性に早くイキたい衝動に駆られる。さっきの筆といい今日は焦らされてばかりだ。 「も、もっと……動いて」  流のモノを挟む足に力を入れてしまった。 「くっ……翠……煽るな」  流の律動が一段と激しく大きくなっていく。どんどん加速していく。 「…っ、ん…っ…っ、あーっ」  どうやら二人同時に放ったようだ。僕は足を開いて流のものを解放してやった。僕のと流の液体が混ざり合って、お互いの腹の上がぐっしょりと濡れていた。なんという量を……これは風邪をひきそうだとつい苦笑してしまった。 「翠は、まだまだ余裕だな」  流は指でふたりの出したものを拭い、それを僕の窄まりにたっぷり塗って、今度は流自身をズシっと埋め込みんだ。 「あうっ!」  熟れた入り口が、流のものを吸い込むように呑み込んでいく。  僕は脚を大きく開脚させられ、流の律動で上下に揺さぶられていく。  いつの間にか吐く息が、白くなっていた。  真夜中の気温はもう零下なのか。  ひどく寒い夜なのに、僕たち二人の肌は汗ばんでいた。 「はっ……はっ」  律動の度に漏れるふたりの吐息が重なっていく。  吐息によって生まれた白い霞が、茶室にぼんやりと広がっていく。   「翠、もっと感じろ」 「あっ……駄目だ。それは」  流は挿れていたものを一度抜き、大きく僕の両脚を掴んで、僕の頭の方へ持ち上げた。その姿勢を取らされると、すぐに何をされるのか理解してしまった。 「やっ……」  すぐに流の舌が僕の窄まりを舐め、舌先で突かれる。震える腰は流の手によってしっかりホールドされている。恥ずかしくて身を捩ってしまう様子を、流が満足げに見下ろしていた。 「翠のその顔が好きだ。俺だけにしか見せない表情。淫らな翠……」 「馬鹿……本当にお前は馬鹿だ。そして全部受け入れる僕も……馬鹿だ」  もう一度脚を下ろされ今度は膝裏を掴まれ大きく開かれ、ぐぐっと最奥まで挿入された。流の律動はさっきの比ではない。大きく身体がずれるほど突かれまくり、擦り上げられ、内部をぐちゅぐちゅと音が鳴る程大きくかき回された。 「りゅっ……流」  いよいよラストスパートだ。思わずしがみつくように流の背中に手を回し、内部に迸る熱を全部受け止めた。僕のも、もう一度流の腹を濡らした。  こんな寒空に、大の男が絡み合い、もう汗だくだ。 「翠、メリークリスマス」 「流、メリークリスマス」  ふたりで迎える聖夜は、こんなにも濃厚な夜だった。僕は流に抱かれている間、一度もあのおぞましい過去を思い出さなかった。思い出さなくて済むように、思い出す暇がないように、流が激しく求め抱いてくれたのだと悟った。お互い脱力し抱き合ったまま暫し目を閉じて、休息した。 (ん……? なんだろう)  ふと冷たいものが顔にあたったので、流の肩越しに天井を見つめると、隙間から小さな氷の粒が舞い降りて来ていた。  汗ばんだ素肌にあたると、それはすうっと溶けていく。  ――淡雪か。  流の背中にも降り積もっては、すぐに熱で溶けていく。  この茶室の天井はもうそろそろ終わりだな。建て直す時が近い。  部屋に雪が降るなんて……でもこれも一興だ。 「翠……どうした?」 「流、雪は解けてしまうが……僕の流への想いは溶けてなくならないよ」 「優しいことを……俺は幸せだ。翠とこんなクリスマスを迎えられて……」 「うん、ふたりだけのクリスマスは……はじめてだからな」 「あぁ、恋人になってはじめてのクリスマスだ」              『月のため息』(流と翠編)了 あとがき(不要な方はスルー) ****  朝から濃厚過ぎますよね(..;)  翠はこの後やはり風邪をひいてしまい、大晦日の風邪っぴき話に続くのです。しかし濃厚なシーンを書くのはとてもエネルギーが要ります。そしてあまり激しすぎるのも受け入れられないのかな……? なんだかふと心配になってきました。私の好みで書いているマイペースな創作なので、万人受けする話は相変わらず書けませんが、これからも、お付き合いしてくださる方がいらっしゃいますように♡  
/1579ページ

最初のコメントを投稿しよう!

4246人が本棚に入れています
本棚に追加