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第7章 プロローグ
昨日は『崔加氏の独白』を一気に8話まとめ読みしてくださり、ありがとうございます。飛ばしてしまった方も大丈夫です。今後あの時洋の義父はどう思っていたのか知りたくなった時にでも、振り返って読んでいただければと思います。(必要な情報も含まれているので)
義父は私自身が生み出したキャラですが、どうしても理解不可能な所もあって、こうやって丁寧に追ってみたのですが……気持ちは分かるがやっぱり理解できませんでした。なので淡々と書いてしまったかな。
さて昨日、10スター特典でクリスマスのお話をUPしました。もう少し続きを書いてみようと思います。この後大晦日やお正月の話もそちらに上げる予定です。
では今日から心機一転 第7章に入ります。物語は日本へ。新しい登場人物も増え物語は更に彩豊かになっていきます。
どうぞよろしくお願いします。前置き長くてすみません。
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第7章 プロローグ
五年ぶりに戻る日本──
緊張していないといったら嘘になる。
俺の両親はもう……とうの昔にこの世を去ってしまったので、待ってくれている肉親がいるわけではないが、大事な友と可愛い従兄弟。そしてまだ会わぬ丈の両親や兄弟が暮らす場所だ。
丈は俺を自分の家に連れて行くと言っているが、それが吉と出るか凶と出るか分からない。俺と丈の関係は世間で認められるようなものではない。特に日本ではまだまだ偏見の目で見られることの方が多いだろう。まして丈の家は由緒正しい寺だと知って、怯んでいるのも事実だ。とにかくいろいろな期待と不安が混ざった心境の帰国となった。
「洋、大丈夫だ。そんなに緊張するな」
「そうだね……」
飛行機の座席で窓から広がる空を一心に見つめる俺のことを、丈はしっかりと掴まえてくれる。
もう絶対に丈から離れない。
そう思えるから、丈が行きたい場所へ俺も一緒に行く。
いつももらってばかりの愛だったから、少しづつでも与える愛を持ってみたい。そう思っている。
新しい一歩には、常に勇気が伴う。
だから自分を信じて……丈を信じて真っすぐに歩むだけだ。
俺とお前の未来のためにも。
硬く握りしめて強張った手を、ブランケットの下で丈が優しく解してくれる。
「そのままの洋でいい。だから何も心配するな」
そんな力強い一言が、俺をいつも勇気づけてくれる。
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