僕の光 12

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僕の光 12

 ここは病院のベッド。きっと隣には入院されている患者さんがいる。だから、こんなこと、してはいけない。  そう思うのに、僕の上に圧し掛かり全身を使って僕を抱く流のことを、さっきから拒めない。いや、拒むどころか僕の躰が流を求め、感じ過ぎて、戸惑っている。 「翠……翠っ」  大きな手のひらで全身を隈なく確認するかのように撫でられ、平らな胸をぐいぐいと揉み込まれ……乳輪ごと吸いつかれる。まるで食べられているように獰猛な動き……なのに……どこまでも愛が詰まっていて、優しい営みだ。 「あっ……んんっ」  シャワールームで一度精を放ったはずなのに、もう僕のものは痛いほど勃ちあがってしまっている。  声を……声を控えないと駄目なのに! 「ここ、痛いか」  流の動きが急に停止し、僕の両手首を持ち上げて包帯の上に口づけを落とした。その切ない動きに誘われ、正直に答えることにした。 「……少しだけ痛い。流に会いたくて……結局、派手に抵抗してしまった。僕は馬鹿だ。ひとりで行かないで、ちゃんと流を頼ればよかったのに」  口を開けば、出てくるのは後悔の言葉ばかり。  途端に鼻の奥がツンとして、涙がほろりと頬を伝い堕ちた。 「翠。もう自分を責めるな。それにさっきも言ったが、ちゃんと声が届いた。俺に助けを求めてくれたのが聴こえたから、間に合った」 「流……お前は優しすぎるよ。抱いて欲しい。流ので僕を……満たして欲してくれ」  感極まって、そんな破廉恥なことを言ってしまう己の口に驚いた。 「分かっている」  克哉の指の動きを、まだ躰の奥が覚えている。ざらつく舌先で入り口を舐められたことも、アレをあてがわれたことも……記憶を辿ると、血の気が引き、真っ青になる仕打ちの連続だった。 「馬鹿! もう思い出すな、もう忘れろ! そんな記憶なんてもんは、俺が全部上書きしてやる!!」  腰の下に枕を置かれ下半身をぐいっと持ち上げられれば、至近距離で流と目があって羞恥に震える。 「流……何を?」 「……消毒を」  ふっと目を細め色めいて微笑むその表情に、また惚れる。  そうだ……僕はずっと流のこんな表情に心を跳ねさせていたのだ。  流が僕の太腿をガシッと掴み左右に広げて顔を埋める先には、僕の張り詰めたものが待っている。ちろちろと最初は子猫のようなタッチで……やがて全体をすっぽりと口腔内に包んでいく。その一方で僕の窄まりの入り口を、流の指がさっきから円を描くように触れてくる。 「ここは痛くないか」 「あぁ大丈夫だ」  流の指だと思うと、そこが急に締め付けるような、潤うような不思議な感覚に陥る。  僕は流に触れてもらいたくてずっと待っているのだ。  つぷりと指が侵入してくると、ブルっと躰が震え疼いた。 「もっと……」 「へぇ、翠が強請るなんて珍しい」  指は中をぐるっと掻き混ぜ、何かを探し出す。感じる部分を擦られ、押しつぶされると、流の口で嬲られていた先端からトロトロと蜜があふれ出すのを感じた。唾液と混ざり全体がしっとりと濡れていく。指は増やされ更に内部を弄られ、その次の瞬間には、突然流が舌先でつついてきた。 「んっ! あっ流っそれは駄目だ! 汚い」 「汚くなんてない」 「あぁ! うっ」  恥ずかしさと気持ち良さ。入り交ざる感情で思わず大きな声を出しそうになって慌てて手の平で押さえた。 「駄目だ。声がっ」 「いいよ。あげろよ」 「ここ……病院だ……丈に迷惑かけるから」 「翠、他の奴の名前をあげるな、たとえ弟でも」 「りゅっ……」 「翠、耳寄りな話教えてやろうか」 「なに……?」 「この病室の両隣は空室だ」 「なっ……」 「弟からの粋な計らいだ。だから今日は手加減しないで抱くぞ」 「流……あっ……んっー」  真っ白な糊がきいたシーツに縫い留められた僕。流が味わい尽くしていく。 「あっ──っ、あうっ……」  もうこれは上書きなんてもんじゃない。  流によって全身全霊をかけて愛されている。 「そろそろいいか、挿れても……」  長い愛撫に息も絶え絶えになり、ようやく下半身を解放された。  ジンジンと痺れるほどあんな場所を吸われたせいで、ぴくぴくと痙攣しながらも、僕のものは早く早くと流を求めていた。 「流……待って、今日は僕が上に」 「翠?」  何故だか、どうしてもそうしたかった。  僕が流を愛したかった。  今度は流をシーツに沈め、その上に跨った。  下半身のビンビンに張り詰めたものに一度口づけする。 「おっおい? よせ、無理するな」 「長くて太いな……お前の……一番だったもんな」    そのままそっと僕の窄まりと流の勃起したものを突き合わせ、思い切って一気にズンっと腰を沈ませると、もう充分濡らしてもらったそこはすんなりと流を飲み込んでいった。 「うっ……」  僕が流を想う気持ち、伝わるか。 「あっ!」 「うっ!」  いつもと違う体勢に戸惑い、ぐらつきそうになると、流がしっかりと腰をホールドしてくれた。だから僕は流の脚に掴まりながら、懸命に腰を振り……上下に大きく抜き差ししていった。 「あ……あ……うっ」 「うっ……今日の……翠、すごい締め付ける……」   あとがき (不要な方はスルーです) ****  こんにちは。志生帆海です。  いつも読んでくださってありがとうございます。  今日はRのみという展開でした(〃▽〃)   でも……ようやく流と翠の甘々(激しすぎかもですが)を思いっきり書けて、ほっとしました。    今日の更新で980話達成!もうすぐ1000話になります。  なんだかカウントダウン気分です♡   また明日この続きのラブラブを更新しますね!  
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