三日月に誓う

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「貴様ら、何をしている」 怒気を含んだ冷気が辺り一面に流れ、取り囲んでいた大学生らが身震いする。 ゆっくりと上空から、男が私たちの真ん中に降りてきた。 その目は、赤く光り威光を放っている。 大学生たちはみなブルブルと震え、腰を抜かし思うように動くことも言葉を発することも出来ない。 「屑どもが……さっさと失せろ」 その声と同時に、右も左も前も後ろも、上からも下からも、猫、犬、鳥、その他、色々な動物たちの威嚇の声が上がった。 大学生たちはその声に追い立てられるように、ワーとかヒーとか言葉にならない声を上げながら、よろよろと逃げていった。
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