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「うわ! なんか猫いっぱいいるぞ?! そこらの野良じゃねーな……。あの猫捕まえたら高く売れんじゃね!?」
大学生くらいの五〜六人のグループが、近づいてくる。
まずい!
そう思った時には、点心と爛漫は美鐘さんを守るように立つと、全身の毛を逆立て、牙を剥き出しにして威嚇し始めた。
「うーわ、こえー顔」
「棒かなんかねーの?」
「さすがに噛まれたらヤバイっしょ!」
口々にそんなことを言いながら、ニタニタとした笑いを貼り付けて近づいてくる。
いくら猫の中では大きいとはいえ、相手は人間で人数も多い。
点心と爛漫と雪希の威嚇と唸り声にもお構いなしに、大学生たちは丸く囲い込むように近づいてくる。
手にはどこからか拾ってきた、棒切れを持っている者もいる。
あんな物で、思い切り殴られたら……
こんな状況とは言え、噛み付いて怪我をさせても、動物側がまずいことになりかねない。
逃げることも、攻撃することも出来ない。
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