まさか

2/5
前へ
/25ページ
次へ
   二人の会話が聞こえてきた。 「さーちゃんには見えるの?」 「うん」 「今も目の前に?」 「今はいないよ」 「そっか」 「見えない?」 「うん。残念だけどね。きっと、さーちゃんにしか見る事が出来ないんだよ」 「どうしてかな」 「すごく好きだからじゃないかな」 「私が?」 「さーちゃんとお父さんの両方が」    ハッとした。  慌てて二人の前に戻った。 「さくら、彼に僕の姿は見えないのか?」    さくらの顔色がみるみる青白くなった。
/25ページ

最初のコメントを投稿しよう!

162人が本棚に入れています
本棚に追加