まさか

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「今日の一郎、何か変だよ」 「出来る事ならずっとさくらと一緒にいたい」 「いればいいじゃない。結婚したって私は遠くに行かないよ。彼ね、一郎と一緒に暮らしてもいいって言ってくれたんだよ」 「ありがとう。だけどダメみたいなんだ」 「なんで」    つないだ手をあげ、さくらに見せた。    さくらが僕に抱きついた。 「一郎、行っちゃヤダ」    さくらの声が涙で染まる。    僕の手は消えかかっていた。
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