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「あれ?」
幸が机に手を入れると、教科書以外の感触が指先にあった。
薄紫色の、封筒。
開くと、お揃いの便箋が出て来た。
ほのかに、よい香りがする。
『これは幸福の手紙です。あなたは勇者に選ばれ、魔法使いを一人従えることとなりました。おめでとうございます。遠慮はいらねえぜ』
開いた便箋を手にしたまま、幸は勇真の方を見た。
窓際で、片手を上げて応える姿がそこにある。
幸は手紙を大切にたたんで、バッグに収めた。
そして、窓辺の魔法使いの元へと笑顔で駆けて行った。
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