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「よう、八柳」
「……澤くん?」
机に伏せた姿勢のまま顔だけ挙げた幸は、この世の終わりのような表情をしている。
「何かあったのか? 元気ないけど」
「……別に」
そんなわけあるか、と勇真は身を乗り出した。
「一週間前から、どんどんしょげて行きやがる。何もない事、ねぇだろ」
あまり交流のない勇真が、珍しく声をかけてくれた。
それほど自分の落ち込みはひどいのか、と幸は唇を結んだ。
「俺でよければ、相談に乗るぜ?」
「ありがとう。でも、そうしたら澤くんにまで迷惑がかかるかもしれないから」
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