颯太のともだち

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颯太(そうた)は何度も目を、手のひらでこすりあげた。 こすってもこすっても、次から次へと涙がこぼれ落ちる。 色白の颯太の目はすっかり赤く腫れてしまった。 辛いのではない、悔しいのだ。 両親の都合で、ばあちゃんの所に行かされるのも 仲良しの友人と引き離されたことも 『東京もの』と冷やかされるのも 子供の自分がどうしようも出来ないところで、 受け入れるほか無いことが、その理不尽さが悔しいのだ。
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