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翌日が土曜日で学校が休みだったので、
僕はクラスでお別れもする事も出来なかった。
ただ、親友の拓也にだけは言っておきたかった。
拓也の家に行って事の次第を話すと、
何かに堪えるように黙って聞いていたが、
僕が話し終わると、何も言わずに僕の胸のあたりを拳骨でどんと叩いた。
「負けるな、颯太。俺たちはずっと親友だからな。どんなに離れたって。」
僕は口を開くと泣きそうになったので、そのまま頷いて同じように拓也の胸を拳骨で叩いた。
帰ろうとすると、拓也がちょっと待って、と家の中からサッカーボールを持って来て、それを僕に押し付けた。
「持っていけよ。今度会ったらまたサッカーしようぜ!」
僕はぎゅっとボールを胸に抱いて頷いた。
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