クラスメイトは離婚するっていうんだ

3/4

17人が本棚に入れています
本棚に追加
/18ページ
翌日が土曜日で学校が休みだったので、 僕はクラスでお別れもする事も出来なかった。 ただ、親友の拓也にだけは言っておきたかった。 拓也の家に行って事の次第を話すと、 何かに()えるように黙って聞いていたが、 僕が話し終わると、何も言わずに僕の胸のあたりを拳骨(げんこつ)でどんと叩いた。 「負けるな、颯太。俺たちはずっと親友だからな。どんなに離れたって。」 僕は口を開くと泣きそうになったので、そのまま頷いて同じように拓也の胸を拳骨で叩いた。 帰ろうとすると、拓也がちょっと待って、と家の中からサッカーボールを持って来て、それを僕に押し付けた。 「持っていけよ。今度会ったらまたサッカーしようぜ!」 僕はぎゅっとボールを胸に抱いて頷いた。
/18ページ

最初のコメントを投稿しよう!

17人が本棚に入れています
本棚に追加