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新しい生活は辛かった
ばあちゃんの家はそんなに大きくないが、裏に畑があり
毎朝早くばあちゃんと一緒に、その畑から僕らの食べる分だけ採ってくる。
とまと、きゅうり、なす、
その向こうにはトウモロコシとスイカもあるそうだ。
それをばあちゃんが漬物にしたり、おかずにしたり料理してくれる。
僕には初めてのことだが、その採れたての野菜は
びっくりするほど味が濃くて美味かった。
僕が美味しい美味しいと食べると、
ばあちゃんは目を糸みたいに細くして笑うんだ。
「颯太は昔から、ばあちゃんとこのキュウリが大好き言ってくれたなぁ。」
ばあちゃんは昔と少しも変わらず優しくて元気で、僕は大好きだ。
狭い家の中で、古いちゃぶだいを出してきてくれて
そこに僕の場所を作ってくれていた。
とうさんとかあさんの事が無ければ、どんなに楽しい時だったろうと思う。
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