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「一緒にいて楽しかったって。また会いたいって」
「なら、それを書こうよ」
「サスケ、喜ぶかな?」
「きっとね」
勇太は、お父さんに言われて便箋に文字を書く。
一枚書いて、「違うかな?」て呟いてもう一枚。
もう一枚書いて、また一枚。
何度も何度もくり返す。
お父さんは黙って勇太を見ている。
何度も何度も書き直す勇太。
『さすけありがとういつかまたね』
最後にそう書いて勇太は、こてんと眠り始めた。
「疲れたんだね。お疲れ様」
お父さんはそう言って勇太をベッドまで連れていってから、勇太が書いたすべての手紙を集める。
折らないように大切に集めて、勇太に内緒で用意した鍵付きの箱に収める。
『さすけまたあいたい』
『さすけてんごくでげんきでいてね』
『さすけぼくをわすれないでね』
ひらがなだけで書かれた沢山の手紙。
お父さんは全部を大切にしまった。
「サスケに届きますように」
鍵をしめてお父さんはそっと手を合わせた。
その鍵付きの箱は、お父さんは大切にかくして、宝物となりました。
おしまい
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