01.アバター

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「hello, ナニヲシテ マシタカ?」 「君のことを考えていたよ」 「ナニー? ニホンゴ、ワカリマセン」 「I was thinking about you」 「Wow, Baka~」 画面に映る君は、照れながら大笑いしている。 そして、お気に入りの『Baka~』というフレーズを僕に浴びせかける。 スマホに映し出されたのは、見覚えのある屋台だった。 赤いプラスチックのテーブルと椅子が広い歩道に並んでいる。 揚げ物やシーフード料理の小皿、ドリンク。 バケツに入った備長炭のような大きな氷。 いつだったか、バイクで連れて行ってもらった屋台だ。 確かロン橋の近く、ナイトマーケットの奥だったと記憶している。 教えてもらった食べ物の名前はすっかり忘れてしまったけど。 でも、それはいつも夜空に浮かぶ月のように、あの街に君が居るからという安心感の裏返し。 だって、いつでも君が連れて行ってくれるし、いつでも君が教えてくれるんだろう? 画面越しに、屋台の喧騒と熱気が伝わってくる。 日本は23時でも、ダナンはまだ21時なのだ。 076eb5d7-45a8-429e-829a-494a8438ac04 ad5e05f3-4f01-4994-8691-a05f62a4f2f7
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