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「おっ!誰かと思えば、遥斗じゃん!!
なになに?うちの元気娘と新人の可愛い子ちゃんを口説いてんの?
贅沢やなぁ!」
その時、同じく町から私用で戻る広呂が合流した。
「この二人、同郷の幼馴染なんですって!」
初那が知っている少ない情報を広呂に教えた。
「幼馴染だぁ?それは危険すぎる!昔の恋心に火でもついたら大変だ!」
広呂は葉羽の腕をとっさに掴み、先に連れて帰ろうとした。
「そんな恋心だなんてとんでもない!
先輩は昔からすごく優しくて後輩想いで尊敬できて、みんなの憧れの的でした。
そんな先輩にはもちろん、美人の彼女がいたんですから!」
少女はやっと昔のことを思い出すと、先ほどの変な疑いを否定した。
それを聞いた遥斗はそれを訂正するように声をあげた。
「それは違う。それは君が何も気づいてくれないから・・・
ねぇ、もしかしてあの時の手紙、読んでないの?」
「え?手紙??」
葉羽は何も思い出せずに首をかしげる。
すると、このまずい状況を察した初那が、広呂を腕でつつき合図を送った。
それに気づいた広呂は、無理やり二人の間に立ちはだかり、少女を隠した。
「知らん!お前と葉羽ちゃんとの間に何があったのかは知らないが、今は俺の大事な後輩だ。困らせることを言うな」
広呂に遮られ、遥斗は名残惜しそうな顔をして俯いた。
「ねぇ、葉羽。また会いたい、、、ちゃんと話がしたい、、、今度俺の話を聞いてくれない?」
寂しそうな顔をした遥斗は広呂の後ろに隠れている少女に意味深なメッセージを送って帰っていった・・・。
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