1話 神聖な場所 × 修業に出た少女 × 新しく繋がる仲間

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「二人になっちゃったね。 仁胡さん、私ね、不愛想だから駄目だとも思わないよ。 上手に笑えなくても素晴らしい人はたくさんいるもの!」 「うん、君が気にすることないよ。 こちらこそ口うるさいメンバーでごめん・・・」 「ううん、すごく楽しい! 私のいる国もね、愉快なメンバーがたくさんいるの。 彼らと別れて本当は心細かったから、ここの人たちに温かく迎えてもらえたこと、すっごく嬉しい。仁胡さん、ありがとう・・・」 葉羽は感謝の気持ちを伝えると、にっこり微笑む。 「仁胡、、、だろ?」 「え?でも・・・」 「だって、もう仲間だし・・・」 仁胡は頬をほんのり色づかせ、恥ずかしそうに俯いた。 そして、結局行く当てもないまま、二人はぐるりと散歩し、寺院へと戻る。 「仁胡、今日は付き合ってくれてありがとう!」 「うん、俺も楽しかったから・・・」 彼の表情は、笑顔とまではいかないものの、今までで一番穏やかな顔をしていた。少女はそんな彼の前に片手を差し出した。 「握手。仲間?の印に!」 仁胡は少し緊張しながら手を出した。彼の指は細く、その手はひんやり冷たかった。 「葉羽の手、あったかい・・・」 葉羽はにっこり笑うと、バイバイと手を振り、部屋へ戻っていった・・・。 その二人の様子を、少し遠くから麒麟と太賀が眺めていた。 「あらまぁ、仁胡はもしかしたら、覚醒するかもしれないですね・・・」 「あの仁胡がですか?まさか!」 「私は紗倉の依頼で彼女を引き受けたが、もしかしたら御礼を言うのは私になるかもしれないわ・・・」 2人は意味深な会話をしながら、二人をほほえましく見守った・・・。
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