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「二人になっちゃったね。
仁胡さん、私ね、不愛想だから駄目だとも思わないよ。
上手に笑えなくても素晴らしい人はたくさんいるもの!」
「うん、君が気にすることないよ。
こちらこそ口うるさいメンバーでごめん・・・」
「ううん、すごく楽しい!
私のいる国もね、愉快なメンバーがたくさんいるの。
彼らと別れて本当は心細かったから、ここの人たちに温かく迎えてもらえたこと、すっごく嬉しい。仁胡さん、ありがとう・・・」
葉羽は感謝の気持ちを伝えると、にっこり微笑む。
「仁胡、、、だろ?」
「え?でも・・・」
「だって、もう仲間だし・・・」
仁胡は頬をほんのり色づかせ、恥ずかしそうに俯いた。
そして、結局行く当てもないまま、二人はぐるりと散歩し、寺院へと戻る。
「仁胡、今日は付き合ってくれてありがとう!」
「うん、俺も楽しかったから・・・」
彼の表情は、笑顔とまではいかないものの、今までで一番穏やかな顔をしていた。少女はそんな彼の前に片手を差し出した。
「握手。仲間?の印に!」
仁胡は少し緊張しながら手を出した。彼の指は細く、その手はひんやり冷たかった。
「葉羽の手、あったかい・・・」
葉羽はにっこり笑うと、バイバイと手を振り、部屋へ戻っていった・・・。
その二人の様子を、少し遠くから麒麟と太賀が眺めていた。
「あらまぁ、仁胡はもしかしたら、覚醒するかもしれないですね・・・」
「あの仁胡がですか?まさか!」
「私は紗倉の依頼で彼女を引き受けたが、もしかしたら御礼を言うのは私になるかもしれないわ・・・」
2人は意味深な会話をしながら、二人をほほえましく見守った・・・。
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