僕ら

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僕ら

僕たちは学園で無邪気に遊んでいた。 同じ日に生まれた6人の兄弟達。 16才を迎える日、自分のマスター達が迎えにくる。その日を僕らは待ちわびていた。 皆、自分のマスターがどんな人物か、幼きころから把握していた。 「自分のマスターは優しいよ」 「僕のマスターは、とてもきれいな人なんだ」 皆、小さい頃からマスターが送ってくれる動画メッセージを楽しみにしていた。繰り返し何度も見るので、内容も話し方の特徴も覚えてしまっていた。 マスターは華やかな経歴や立派な地位などを有する人たちばかりだった。 僕らは自分のマスターに憧れていた。 16才になったらマスターと家族になって暮らす。それまで僕らは日々様々なことを学ぶ。マスターに愛されるために。マスターのより良き補助者になるために。
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