指先
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弁論を読みきった私は、もうガックガクだった。手が冷たい。こわい。やばい。指先が凍死しそう。指先だけ凍りそう。 そのとき。 すっ、と何かが手元に現れた。そして私の指先を包んだ。深呼吸をしたら、凍った私の手は、徐々に溶けていった。 それは倉井の手だった。 こいつが友達でよかった。心からそう思った。
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