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第1話 ミノル & レイコ
俺には……
何か特殊な能力が有るように思うのだが…
その能力をどうすれば発揮できるのかを…
俺は知らない。
ある何気ない一日の終わり……
帰宅途中に ふと考えが浮かんだ。
《何処かに可愛い姉ちゃん落ちてないかな?》
不思議に…その日は否定的な思いに成らなかった。
車で道を走っていると…
何かが落ちている……。
《何だろ? 犬……いや猫かな?》
驚いたのは……可愛い姉ちゃんだったから!
俺は直ぐに…その姉ちゃんを拾った!
いや……倒れている その女の子を抱き起こした。
「どうしたんだ! どこか具合でも…?」
「いえ……気が付いたらココに…!
私も訳が解らなくて…!」
彼女の話によると……ほんの10分前までは、
学校からの帰宅途中だったという。
「うう~ん…君ってテレポーションとか使える人なのかな?」
的外れな言葉とは思ったが……多少、彼女の笑顔を呼び戻す手助けには なったようだ。
「ホントにケガとか してないの?
良かったら乗せて行こうか?」
質問攻めにして申し訳ないと思った…
そうして彼女は黙って俺の車の助手席に収まった。
改めて見ると…彼女は顔が整っていて俺好みだ。
《コレって……神様のイタズラじゃなくて…
神様の親切…?》
☆☆☆☆☆☆☆☆☆
「ねえ…何処へ連れてってくれるの?」
そう言う彼女に…
「何処へ行きたいのさ? 家じゃ無いの?」
やはり質問に対して質問で返す。
「うう~ん……何処か行きたいなあ。」
「どんな所? 何処でも良いなら海とかどうよ?」
「良いわねえ!…… じゃあ海って事で!」
彼女の長い髪が風になびいた。
海に着くと彼女は波打ち際で遊び始める…
「君……名前は?」
「た・か・は・し・れ・い・こ」
「ふうん……レイコちゃんって言うんだ…。」
「そっちは?」
「俺は……た・か・だ・み・の・る」
「ミノル君かあ…。」
「年上に君付けって……可笑しくね?… 」
「じゃあ……ミノルさま……ミノル殿……ミノル大明神かな?」
「そこまで……?」
「ねえ……どれが良いの?」
「じゃあ大明神で! ミョウジン…でも良いし。」
「ミノルじゃないんかい…?」
二人同時に笑った。
なんか……幸せ。
☆☆☆☆☆☆☆☆
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