第1話 ミノル & レイコ

1/1
7人が本棚に入れています
本棚に追加
/6ページ

第1話 ミノル & レイコ

俺には…… 何か特殊な能力が有るように思うのだが… その能力をどうすれば発揮できるのかを… 俺は知らない。 ある何気ない一日の終わり…… 帰宅途中に ふと考えが浮かんだ。 《何処かに可愛い姉ちゃん落ちてないかな?》 不思議に…その日は否定的な思いに成らなかった。 車で道を走っていると… 何かが落ちている……。 《何だろ? 犬……いや猫かな?》 驚いたのは……可愛い姉ちゃんだったから! 俺は直ぐに…その姉ちゃんを拾った! いや……倒れている その女の子を抱き起こした。 「どうしたんだ! どこか具合でも…?」 「いえ……気が付いたらココに…! 私も訳が解らなくて…!」 彼女の話によると……ほんの10分前までは、 学校からの帰宅途中だったという。 「うう~ん…君ってテレポーションとか使える人なのかな?」 的外れな言葉とは思ったが……多少、彼女の笑顔を呼び戻す手助けには なったようだ。 「ホントにケガとか してないの? 良かったら乗せて行こうか?」 質問攻めにして申し訳ないと思った… そうして彼女は黙って俺の車の助手席に収まった。 改めて見ると…彼女は顔が整っていて俺好みだ。 《コレって……神様のイタズラじゃなくて… 神様の親切…?》 ☆☆☆☆☆☆☆☆☆ 「ねえ…何処へ連れてってくれるの?」 そう言う彼女に… 「何処へ行きたいのさ? 家じゃ無いの?」 やはり質問に対して質問で返す。 「うう~ん……何処か行きたいなあ。」 「どんな所? 何処でも良いなら海とかどうよ?」 「良いわねえ!…… じゃあ海って事で!」 彼女の長い髪が風になびいた。 海に着くと彼女は波打ち際で遊び始める… 「君……名前は?」 「た・か・は・し・れ・い・こ」 「ふうん……レイコちゃんって言うんだ…。」 「そっちは?」 「俺は……た・か・だ・み・の・る」 「ミノル君かあ…。」 「年上に君付けって……可笑しくね?… 」 「じゃあ……ミノルさま……ミノル殿……ミノル大明神かな?」 「そこまで……?」 「ねえ……どれが良いの?」 「じゃあ大明神で! ミョウジン…でも良いし。」 「ミノルじゃないんかい…?」 二人同時に笑った。 なんか……幸せ。 ☆☆☆☆☆☆☆☆
/6ページ

最初のコメントを投稿しよう!