第14話 地球防衛会議

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第14話 地球防衛会議

飛行速度 20km/s、密度1570kg/㎥、2018 NSKこと、shortar、翔大のスケールはデカすぎて、俺には想像できない。 地球落下推定日時は3年後の夏、推定位置は、太平洋、日本近海から北大西洋にわたる北半球ですって言われたって、まぁ、現実味に欠けるって言われても、しょうがないだろ。 しかも、その翔大の衝突回避を話し合う国際会議の名前が『地球防衛会議』って何だよ、アニメみたいだよな。 おい翔大、お前のせいで、俺はますます仕事にやる気が入らねーぞ、翔大衝突衝撃で衝動的大騒動勃発、みたいな?  くだらねー。 大体、地球防衛会議ってなんだよ、戦隊ヒーローか、どうせなら裏方やるより、レッド役がよかったな、もちろん主人公な。 しかし、参加国が24カ国ってのも、本格的すぎるでしょ。 まーお国は様々なれど、英語一つでなんとかなるから、そういう意味では英語が出来ると便利だな。 ちなみに、ロシアとかの共産圏の国では、日本の英語並に、ロシア語が必須科目なんだぜ、そのロシアじゃあ、エリートの必須科目がまた英語ってのも、因果を感じるけどな。 ちなみに、国連で働くには、英語だけじゃなくって、フランス語も出来なくちゃいけない。なぜなら、国連の公用言語が英語とフランス語だからだ。 だから、フランス語の文書なんかも、平気で回ってくるんだぜ。 国連で働きたかったら、英語だけじゃなくって、フランス語の勉強もしとけよ。 もし採用されれば、君も晴れて『国際公務員』というワケだ。カッコイイ!!  まぁ、お前にはムリだと思うけど。 ちなみに、大学院の修士も必要だ。 『え、それなら自分持ってる!』って?  修士を取ってる学部にも制限があるから、どこの学部の修士でもいいってワケじゃねえぞ、文学、語学、芸術系はアウトだ。 残念だったな。 そのほかの学部に関しては、自分で調べろ。 他にも実は抜け道がある。 本気でなりたいと思っているなら、グッドラック、頑張れ。 為せば成る。責任は持たない。 しかし、よく考えてみれば、国際会議の事務局ってのは、聞こえがいいよな、実際は一人で回してるんだけど。 世の中って、結局こんなもんなのか?  普通こういう事務局って、広いオフィスが一室進呈されて、そこで可愛い女性事務員を引っさげて、局長は椅子に座ってるだけで『うむ』とか言いながら、ハンコついてりゃ、それでいいんじゃないの?  それなのに現実は、狭くてうさんくさい職場の片隅で、一人こそこそキーボード叩いてるだけって、なんなんだよ。 一人事務局だから、勝手に事務局長名乗らせてもらうけど。 『えぇ、僕が今回の地球防衛会議、運営事務局長です』みたいな。 そんでもって、ガッツリ固い握手なんか交わしちゃって、プレゼン始めたりするんだぜ、もちろん英語で会議だ。かっこいー。 フランス語でもいいけど。 え、俺? もちろん将来を見越して、フランス語は習得済みだ。 修士は持ってないけどな。 しかし、国際会議の運営って、どうすればいいんだ?  本当に招待状送った200人が、マジで来んのかな?  どこの会場おさえればいいんだ?  会場……。 やっぱ、日本武道館でデビュー講演とかって、憧れるよね、幕張メッセ?  さいたまスーパーアリーナ? 東京ビッグサイト?  ドームツアーなんてのもいいよねぇ。東京ドーム、大阪ドーム……。 どれどれ?  日本武道館って、なんだかんだ言っても、やっぱり武道館なんだな、宿泊施設もあるのか。 なに? 宿泊するなら利用料安くなるじゃないか、最有力候補だ。 幕張メッセは、一番でかい国際会議場を、一日貸し切って約110万か。 他の小会議室なんかも抑えなきゃいけないから、やっぱそこそこの値段にはなる。 てか、200人キャパなら、そんな会場広くなくてよくね?  ……まぁ、いいや。 で、東京ビックサイトは7階の一番でかい部屋が、やっぱり110万くらいか、7階全部貸し切って130万。 講演者控え室と、事務局は一個でいいだろ。 ちなみに税込みだ。 横浜アリーナは、平日無償のイベントで350万。 これに、椅子の貸し出しとか撤去費用とかも入ると、そこそこの値段になるな。 貸し切りといえば、夢の東京ディズニーランド!  ランドの貸し切りは、7千人様以上のご利用で4千万? はい終了。 夕方3時間だけ貸し切りにしても、4千人以上からで2千300万かよ、さすが。 よみうりランドは……貸し切ろうって猛者はいなかったのか、検索しても出てこない。 ちなみに、花屋敷は100人から70万で貸し切り可能だ。さすがだ、素晴らしい。 「どう? 会場おさえられた?」 花屋敷のホームページを見ていた俺は、慌てて画面を隠す。 「グランドプリンスホテル新高輪の飛天の間を狙ってみたんですけどねー、ここ、利用料金公開してやがらないんですよ、しかも500人以上からって、意外とハードル高いっすねぇ」 香奈先輩の、モンゴリアン・チョップからのキャメル・クラッチが俺に決まった。 「お前は真面目に仕事する気、あるのか!」 「ありますよ、放してください!」 「200人程度のレセプション会場なんて、そこそこのでっかいホテルおさえれば、大体どこでもいけるわ、ボケ!」 「えぇ、そうなんですけどねぇ」 先輩の腕が緩む。 苦しいけど、おっぱいが頬に当たってるの、分かってんのかな? 「前回の天文学会の会場と同じところでいいだろ」 「箱根の温泉ですか?」 「東京のホテル会場をおさえやがれ」 「はい」 俺は、素直にキーボードを叩いた。 「わー、香奈先輩! 200人、会場、ホテルで検索したら、いっぱい出てきましたぁ!」 「お前のセンスが問われている。妙なとこ予約するなよ、空いてる日を確認してから、候補を必ず私に提出して、確認させろ、分かったな!」 香奈先輩の怒号によって、俺は現実に引き戻された。 しかし、おっぱいは柔らかい。
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