第9話 衝突の可能性

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第9話 衝突の可能性

ちょっと真剣に、本気で隕石衝突の可能性について、真面目に考えてみよう。 現在、地球に衝突する可能性が高いとして、確認されている小惑星の数が、約1万6千個。 1万6千個? パチンコ台に1日座っていても、そんなに球数、出したことねーよ。 大体パチンコなんてもんは、あの大切な0の数がいくつか書いてある紙切れを、機械に吸い取られる瞬間の罪悪感がたまらなくて、やめてしまった。 あの悲しみの千円札は、どこへ消えていったのだろうか。 千円なんてケチくさい?  ケチで結構、俺はその金でファミレス豪遊してるからな!  ファミレスのフライドポテトの味は、青春の味だ。 いつも一人で行って、一人で食ってたけど。 いや、みんなが旨いって、言ってるからさ、食べてみたかっただけだし。しょっぱい塩味だけしか記憶に残ってないけど。 火星と木星の間に、小惑星帯というエリアがあり、そこに30万個以上の小惑星が確認されている。 そこでは、時折その小惑星同士がぶつかっていて、それで割れたりなんかもする。 ものすごい勢いだ。 そんな勢いで人生にぶつかり合ったことなんて、まぁ正直に言って、俺にはないな。 部活とか、嫌いなタイプだし。何が楽しいのか分からない。 そもそも、1日のうちの何時間を学校で過ごすことになるんだ、そんなに学校が好きか?  俺は、一人で家にいる方が好きだ。 それに、人とぶつかると、間違いなく痛いし傷つく。 痛いのは、イヤだ。この俺に、Mッ気はない。 そういった過程で出来てしまった破片や小惑星が、木星の巨大な重力によって、軌道が変えられてしまうことがある。 俺の人生の軌道も、木星さんに変えてもらえないもんだろうか。 俺の未来も、データ管理で計算できればいいのにな。 重力という、弱くて強い引力で、ギュイーンとさ。予知できればいいのにな。 木星っていったら、ジュピターだよな、ジュピターといえば、あの曲いいよなー、なんていうか、ああゆう清楚で、可愛らしい顔が好みなんだ。可愛いは最強、完敗に乾杯!  ジュピターもいいけど、カラオケで、可愛い女の子が、ちょっと歌がうまかったりなんかして、それで流行の曲とか歌ってくれちゃったりなんかして、そういうのって、やっぱ萌えるよね、俺は男子校出身だから、全部聞いた話しでしかないけどな。 彼女にするなら、そういう可愛らしい女の子がいいよなぁ。 その際、変えられた軌道によっては、それらの小惑星が、隕石として地球に向かってくることになる。 隕石かー、俺も彗星のごとく、大学デビューする予定だったんだけどな。 ドッカーンと、大爆発! まさに、スター誕生!  だけど、それまでの人生で、イケてなかった人間が、急に変われるなんてことは、そもそもありえなかった。 テレビやアニメ等、エンタメ業界は反省してほしい。 現実ではありえない夢を、俺に見せすぎた。 無条件で受け入れてくれる女子も親友も、当然のごとく用意されているワケではなくて、自らが少しずつ、作っていかなければいけないものだったのだ。 いきなり向こうからは、やって来ない。 爆誕は、なかった。 2013年、ロシアのチェリャビンスク州に落ちた隕石落下事件。 ちなみに、ロシアは北方に位置するので、色白美人が多い。 手足も長くて、スタイルがいいから、俺は好きだ。 何度もイタズラメールで騙されかけている。 直径十数メートルの隕石が、そのチェリャビンスク近郊に落下し、1,500人以上が負傷、7,400の建物が被害を受けた。 その時の動画が、今でもネット上にあげられている。 白い尾を引きずり、空を横斬る光りが白からオレンジに変わる。 部屋の中が、一瞬にして明るくなったと思ったら、次の瞬間には暗くなる。 その後から、全ての窓ガラスを粉砕するほどの衝撃波。 突如、世界戦争が勃発し、ミサイルが着弾したのかと、大騒ぎになった。 ついでに、リア充も狙ってほしかった。 あぁ、待て、俺はまだ死にたくないから、やっぱそれは、なしでいいや。 さらに最近でも、全長650mの天体が、地球から約180万キロの距離を飛行している。 チェリャビンスクに落ちた隕石より、遥かに大きいものだ。 宇宙的な距離感覚で言うなら、それはかなりの急接近だった。 俺は、非リアエリアに緊急着地。 2015年の10月に発見されたものは、その発見からわずか20日後に、50万キロの距離を通過している。 2015年?  今から3年前か、3年前といえば、俺は何をしてたっけ?  少なくとも、今の自分の状況は、想像すらしていなかったな。 3年前、23か。大学を卒業して、1年目の年だ。 国家試験に合格するため、ひたすら勉強してたな。 大学デビューをあきらめた俺は、次なる社会人デビューを目指したんだった。 最初は、うまくいったと思っていた。 だけど、本当は『デビュー』なんて、そんなのも幻想にすぎなかったんだよな。 変われるチャンスがあったって、回りの環境が変わったって、結局何も変わらなかった。 自分を変えたいだなんて、さらさら思っていない。 俺は俺、それでいいんだ。 だけど、どうしてこうも、上手くいかないと感じてしまうことが多いんだろう。 友達や、人間関係を築くその行程を、俺は誰からも教わったことはない。 習ったこともなければ、勉強したこともない。 友達って、どうやって作るんだったっけ?  職場での人間関係は、友達って言えるのか? 同僚は、友達か?  隕石だって、本当は、何かにぶつかったりなんか、したくないはずなんだよな。 痛いし
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