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あれから…。
藍田このは が少し変わった古書店「まほろば」の店主代行になって6年の歳月が流れた。
このはも大学を卒業して24歳になっていた。
この6年間は二人に沢山お世話になり、支えられて店主代理を勤められた。
二人はこのはにとってかけがえのない友人であり家族である。
二人………一ノ瀬櫂流と二方。
一ノ瀬はこの店の持ち主である一ノ瀬コーポレーションという大企業の長男で跡継ぎは弟、舵斗に譲り、一ノ瀬コーポレーションで働きながらまほろばの管理部署に就いていた。
このはの上司にあたる。
二方は人ではなく、形は九官鳥だが、この世に存在する物でもないらしい。
神である主が作り、主のいる場所を護る立場にある。
店から出る事は殆どない。
この店に初めて足を踏み入れたのが16歳。
バイトをして、代行として修行期間が2年間。
その間に一ノ瀬には困るほど口説かれた。
そして、大学卒業を控えた頃にプロポーズされた。
店主復活まで結婚は待つので、婚約だけしてほしいと言われた。
このは自身、長い期間口説かれて嫌でもなく、心臓はこのはの気持ちをこのはより理解していた。
だからすんなりと申し出を受けた。
このは自身も、一ノ瀬さえも驚く程にあっさりと…。
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