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異質な空間
一ノ瀬が店の裏玄関から入ると、静かな静寂が店を包んでいた。
上り口に上がり、休憩部屋への扉を開けると、直ぐに二方が目に入る。
「二方…静かだな。」
「今日は休みだぞ?客もいないし、このはも出掛けた。静かに決まってるだろう?」
「……そうか。誰も居ないならお邪魔するよ?」
一ノ瀬は台所へと歩いて行く。
「普通は誰も居ないなら失礼するよ!だろうが!!」
「そうか?居ないんだからいいじゃないか?」
「…ぐっ。」
二方を黙らせて、台所の一の扉に手を掛けた。
休憩部屋のスペースを少し潰し、一の扉は出窓の様に休憩部屋に出ている。
人が一人立てるスペースがあり、直ぐ目の前にもう一つ、磨りガラスの扉がある。
ガラス戸を開けると、いい匂いがした。
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