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あの後、詳しく話を聞こうとしたが、それを察したらしいリヴィアタンは、私にある場所へ向かうよう促した。
リヴィアタンの道案内に従って辿り着いたのは小さな教会だった。住宅地から少し離れ、小高い丘の上にあるそこは、人から忘れられた空間らしく、手入れされていないのが見て取れた。
「……ここは?」
『むかーしむかし、ボクを恐れて人が作ったものだよ』
「…恐れ、られてたの?」
私はゴクリと唾を飲み込んだ。恐れられる程の何かをしたのか、そう考えてしまうのだ。
今までの出来事が夢だったと言うかのような沈黙が訪れた。思わず「リヴィアタン?」と声をかけてしまうほど、それは長く、静かだった。
だが、結局全ては現実で、私ではない何かが『すぅ』と息を吸うのが聞こえた。それに思わずホッと胸を撫で下ろす。
『おねーさんはさ、相手を怖いと思うのはどういう時?』
「どういう……ん〜、見た目が厳ついと怖いと思うけど…でも、一番はその人が悪いことをしてるのを見た時、かなぁ。見た目が怖くても良い人だったりするから、見た目で判断はしないかも…というか、しちゃダメでしょ」
『…そう、なんだ。ふふっ。やっぱり、人間は面白いね。そんなことを言うやつは久しぶりだなぁ』
なにやら楽しそうに弾んだ声は『そうだ!』と声を出した。嫌な予感を全身で感じる。そんなことなどお構いなしに、彼は続けた。
『手伝ってって言ったでしょ?……ボクと一緒に、大罪になってよ』
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