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施設長に送られて山辺が玄関に出ると、はなが駆け寄って来た。
「帰るの~?」
無邪気に笑いかけるはなに山辺は向き合った。
「はなちゃん。お姉ちゃんの事、絶対に助けるから」
「お姉ちゃん…どこにいるの?どこに行ったのかなあ?」
「必ず見つけるから」
はなは山辺をじっと見つめ返してくる。山辺ははなの左手の小指を取り、指切りげんまんをした。
「今度来る時はお姉ちゃんと一緒に来るよ。またね」
山辺は微笑むと、施設を後にした。その後ろ姿をはなは指切りした小指を持ち上げたままでずっと見送っていた。
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