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episode・6 未練。
瀬戸は自宅の書斎にいた。目の前の暖炉に火を燃しながら、大きな窓を背に冬近い太陽の貴重な日差しを浴びながら、今取り掛かっている執筆作業に没頭していた。その執筆は海外のミステリー小説を原案として、それを現代の日本にアレンジして執筆し、一昨年、ヒットを飛ばした作品の続編として来期に放送が決まってるものであった。ふと、瀬戸は暖炉の上の時計を見て、立ち上がった。15時だった。
瀬戸はキッチンへ行き、沖縄で購入したちんすこうの箱を出し、小皿を二つだし、それぞれにちんすこうを幾つかよそい、珈琲を2つのカップに注いだ。そしてそれをトレイに乗せると、また書斎に戻り、暖炉の火を消した。そして、長い鉄製の火かき棒でさっきまで火が燃えていた場所を払い、燃えかすを綺麗にどけた。そして、そこに現れた小さな扉を火かき棒で押した。するとゴゴ…と石の擦れ合う音がして、そこに下へと続く小さな階段が現れた。瀬戸はトレイを持ったまま、その階段を降りていく。その様子を書斎の隅に設置されたカメラが捉えている。瀬戸は中にすっかり入ってしまうと、内側から扉を閉めた。
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