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刑事達が帰った後、店じまいした店内でアイスを食べながら凛と山辺は持論を展開していた。凛はホワイトボードに自分が拉致されていた間に山辺が掴んできた情報を書き連ねた。
「まず、田中麻美は二人の計画を知っていて、助ける為に駆け付けたと仮定すると、意識を失っている涼也君を発見、急いで人口呼吸をした」
「でも、小学生に翌朝、発見されるまで彼を放置したのよ?その理由は?」
山辺の返事が無いのでふっと横を見ると、山辺がクッションを抱きながらアイス片手に凛を眺めながら微笑んでいる。
「…何?」
「いえ」
「何か言いたそうだけど?」
「ふふ」
「何よ?何かわかったなら言いなさいよ」
「嬉しくて。先輩がここにいるから」
凛は言葉に詰まって、顔が火照る。
「何よ、いきなり」
「もうどこにもいかないでくださいね」
「……うん」
「もう騙されないでくださいね」
「…っ、わかってる!」
山辺はにこっと笑って、アイスをペロリと舐めた。
「と、とにかく、話を戻すよ!」
「はあーい」
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