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留置所を出た凛は山辺の車に乗り込んだ後も終始無言だった。
「先輩を連れて行きたいところがあります」
「え?」
山辺は微笑んで、アクセルを踏んだ。
着いた先は、はなの暮らす「地域福祉の家・スマイル」だった。
凛は山辺を見つめた。
「どうしてここに?」
「先輩を連れて来る、と約束した人がいるんですよ」
山辺はさあさあと、凛を促して、車を降りた。
凛の表情は固くなった。ここには妹がいる。山辺は、知っている?
正面玄関を入り、面会ノートに名前をそれぞれ記入していると、山辺の背中に誰かが飛びついて来た。
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